今は大学進学に力を入れている通信制高校も多くなっていますから、指定校推薦を使って大学に合格することもできます。
ここでは通信制高校から指定校推薦で大学を目指す方のために、高校から推薦をもらうためのポイントや、指定校推薦で大学に入学することのメリット・デメリットについてまとめていますので参考にしていただけたらと思います。
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指定校推薦とは?
指定校推薦は、大学側が指定の高校に対して推薦枠を与えるものです。
高校は与えられた推薦枠分の人数、生徒をその大学に推薦できるという仕組みです。
ただ推薦枠は決して多くはありませんから、その大学への進学を希望する生徒の中でも選抜された生徒が出願できる制度なのです。
指定校推薦をとるには
指定校推薦がある高校を選ぶ
まず初めに自分が通っている高校、もしくはこれから通う高校が、希望の大学からの推薦枠を持っているかどうか確認しておきましょう。
そもそも推薦枠を持っていないのであれば指定校推薦は使うことができません。
今はなくても自分の受験年になれば追加されているかもしれない、ということがないとは言えませんが、あまり大きな期待はできません。
できれば初めから希望の大学からの推薦枠を持った高校に入学するのが無難です。
高校が持っている推薦枠はまずHPから確認する
指定校推薦枠は、まず気になる高校のホームページから確認しましょう。
もし載っていない場合には「高校名」と「指定校推薦」で検索することで出てくることもあります。
しかし去年はあった推薦枠が今年も絶対にあるとは言えません。
情報が最新かどうか判断が難しい場合は、あてにしすぎず参考程度に考えましょう。
正確な情報が知りたい場合には、高校に問い合わせをしたり、在学しているならば職員に相談してみるほうが間違いないです。
どの大学からの推薦枠を持っているかだけでなく、その枠数も高校によって異なります。
枠数が少ないほど当然倍率は高くなりますから、合わせて確認しておきましょう。
高い成績が必要
指定校推薦をとるということは、高校側に自分を推薦してもらえるだけの成績が必要ということになります。
同じ大学の指定校推薦を狙っている生徒はほかに何人もいることが予想されますから、まずは高校側が推薦する生徒を選抜しなくてはいけません。
では高校側が何を基準に生徒を選抜するかと言えば、評定平均の高さで評価をすることになります。
評定平均とは1~3年生までの成績の平均
成績というと通知表が思い浮かぶ方も多いと思いますが、評定平均というのはその通知表に記載された成績の平均のことを言います。
通知表には5段階評価と10段階評価がありますが、基本的には5段階評価に当てはめて数値を出します。
体育や家庭科までを含めた全科目が対象で、さらに1年生、2年生3年生の1学期までの成績まで含めた平均値が評定平均だと覚えておきましょう。
ちなみに小数点以下第2位は四捨五入するので、イメージとしては3.5、4.2のような値になります。
出願に当たって大学が評定平均の基準を設けていることも多い
例えば「評定平均4.2以上の生徒」というような基準を大学側が設けていることも多いですから、その場合評定平均が0.1でも足りなければ出願できないことになります。
また基準をクリアしていたとしても、基本的には評定平均の高い人から指定校推薦を得ることができると考えていいでしょう。
レポートのでき、出席率、定期試験など日々の学習態度すべてが評価対象になりますから、総合的に高い成績を残す必要があります。
指定校推薦のメリット
ほぼ確実に合格できる
指定校推薦は大学と高校の信頼関係によって成立しているので、推薦入試は行われるものの、高校から推薦してもらうことができればほぼ確実に合格することができます。
日頃の努力を評価してもらえる
努力が必要なのは一般入試も同じですが、一般入試の場合は一発本番。
万が一体調がよくなかったり、緊張に弱いタイプで実力が発揮できなかった、という事態も考えられます。
一方指定校推薦は日々の努力の積み重ねが評価されているので、緊張しやすい人やコツコツ積み重ねることが得意な方には向いているといえます。
合格発表の時期が早い
指定校推薦を受ける生徒が決まるのは大体8月頃。
推薦入試は一般的に10~12月に行われます。
一般入試であれば2月や3月まで受験があるので、それに比べると一足早く受験を終えられる分心と時間に余裕を持つことができます。
大学入学までの時間を自分なりに有効に使うことができますね。
一般入試では合格が難しい大学にも入学できる可能性がある
推薦入試は一般入試と違い主要科目の筆記試験などは行われないため、場合によっては実力以上の大学へ合格しやすいといえます。
レベルの高い環境に身を置くことで周囲から良い刺激を受けながら大学生活を送ることができるのも大きなメリットです。
指定校推薦の注意点
高校1年生からの成績が影響してくる
大学進学を意識するようになってから、1年生の時にもっと勉強しておけば…と後悔してしまうことがないように。指定校推薦を狙うのであれば、高校入学時点から評定平均を意識しておくに越したことはありません。
より早い段階で評定平均を意識した学習をしていくほど、他の生徒たちにリードを作ることにもなるのです。
3年間通じて高い成績を維持することが重要であるということですね。
ほかの大学を受験できない
指定校推薦では原則「専願」です。
専願というのはその大学を第一志望として、合格すれば辞退などはせず入学することを前提で出願するということです。
そのためほかの大学を受験することはできないと考えましょう。
指定校推薦を使う際には、自分が本当に行きたい大学を慎重に選ぶようにする必要があるのですね。
合格後の振る舞いにも気を付けなくてはいけない
大学をによっては合格後にレポートなどの課題を出されることがあります。
例えばレポートを提出しなかったり、入学前に問題を起こすようなことがあれば合格が取り消しになることもありますので注意しましょう。
また、学習態度が悪かったり問題を起こすようなことがあれば、大学と高校との信頼関係が崩れ、高校が今後推薦枠をもらえなくなる可能性もあります。
合格後、入学後の振る舞いについても気を付けなくてはなりません。
自主学習の習慣が薄れてしまう
一般入試の場合は2月や3月まで受験勉強をしているのに対して、推薦入試は一般入試よりも早く結果が出るので、一般入試勢と比べて大学入学までに学習習慣が薄れてしまうことが考えられます。
入学後、大学の授業に遅れてしまうことがないよう、自主学習の習慣は維持するように努めましょう。
国立大学への推薦枠はないことが多い
指定校推薦は私立、公立の大学が主です。
そのため国立大学へ入学したい場合には指定校推薦が使えない可能性があります。
もし行きたい大学が決まっているなら、まずは気になる通信制高校が持つ指定校推薦の枠を確認しましょう。
紹介したように指定校推薦は単願であることを踏まえ、慎重に受験方法を検討しましょう。
推薦入試の試験内容は面接と小論文
推薦入試の試験内容は学力考査ではなく面接と小論文であることがほとんどです。
小論文は与えられたテーマに応じて、結論→根拠や理由→結論というように構成していくのが一般的です。
面接では受け答えだけでなく目線や姿勢などの振る舞いも評価に含まれます。
ほとんど不合格にならないとはいえ、決して気を抜くことなく対策しましょう。
高校側も小論文、面接の受験対策をサポートしてくれるはずです。
指定校推薦のある通信制高校を紹介
ルネサンス高等学校
ルネサンス高等学校では全国展開する個別指導型予備校と連携し、大学入試を手厚くサポートしています。
また4年制大学だけでなく、短大、専門学校なども合わせて400校以上の指定校推薦枠を持っています。
クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校は4年制大学、短大、専門学校合わせて300以上の指定校推薦枠を持っていて、早稲田、上智、法政などの推薦枠もあるほか、難関大学への進学者も多数輩出しています。
現役の予備校講師による講座なども取り入れていて、大学受験対策に力を入れている通信制高校です。
第一学院高等学校
第一学院高等学校は4年制大学、短大、専門学校合わせて300以上の推薦枠を持ちます。
特別進学コースでは完全個別対応のweb授業が行われ、志望校のレベルに応じた授業を受けることができます。
翔洋学園高等学校
4年制大学、短大、専門学校、合わせて200校ほどの指定校推薦枠を持っているのが翔洋学園高等学校です。
教員全員の熱心な進路指導によって、卒業性の約4割が進学をしていています。
まとめ
通信制高校から指定校推薦で大学入学を目指す際に、知っておくべきポイントについて紹介しました。
これから通信制高校に入学する場合には、まず高校が持つ推薦枠を確認しておきましょう。
すでに行きたい大学まで決まっているのなら、高校がその大学の推薦枠を持っているかは重要なポイントです。
行きたい大学までは決まっていない場合も、指定校推薦を検討しているのであれば推薦枠というのを高校選びの基準の一つに加えてみてもいいかと思いますよ。
すでに通信制高校に在学中ということであれば一度講師の方に尋ねてみてもいかもしれませんね。
指定校推薦を使う際には、紹介したようにメリットだけでなくデメリットまで理解したうえで、慎重に活用するようにしましょう。