小学生が不登校になる心理はなに?親ができる対応は?

小学生が不登校になる心理はなに?親ができる対応は?

夫と子供と食卓を囲んで、いつもと変わらない穏やかな朝食をとっているとき。
突然小学生の子供から、ぽつりと「学校に行きたくないんだけど……」と呟かれたら、あなたはどんな反応をするでしょうか?
学校に行きなさいと叱ってしまいますか?それとも、とりあえず今日学校に行ってみてから考えようと提案しますか?
どちらにせよ、心中はパニックだと思います。きっと新聞を広げている夫も動揺しているに違いありません。
なぜ子供は学校に行きたくないという心理になったのか?自分と夫はいったいどうすればいいか?その子供の心理と対応について、この記事では解説しています。
ちなみに、この一つ目の「子供を叱って学校に行かせる」というのは最もしてはいけない行為です。その理由もこの記事を読めば解決しますので、ぜひ参考にしてください。

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小学生はまだ思春期に入る前の精神的に未熟な時期

小学生は思春期に入る前の時期なので、まだ学校生活を送ることに悩んでいる子供は少ないです。小学生で不登校になる子供の数は全体で0.7%と低いのが現実です。
小学校の高学年あたりから徐々に不登校者の数は増えていき、思春期を迎える中学生が最も多くなります。
この理由は、精神的に未熟な分友人関係も複雑になっていないこと、学校の成績が可視化されていないことが挙げられます。そのため基本的に小学生では悩みが少ないので、学校に通いたくないという子供の数は少ないです。
しかし少ないというだけであって、いないというわけではありません。
思春期が来る前とはいえ子供が日々ストレスに感じるようなことはありますし、ストレスの感じ方も人それぞれです。
子供が不登校になったとしても、特に不思議なことではないと理解しましょう。

小学生が不登校になる心理三つ

それでは、小学生が学校に行きたくない!と言ってくるような状況の時、子供自身はいったいどんなことを考えているのでしょうか。
その答えは以下の通りです。

  • 家以外の場所に行く不安感
  • 勉強に対するストレス
  • 人間関係の過酷さ

小学生と言っても、小学校一年生と小学校六年生ではまるで考え方が違います。
そのため学校に行きたくなくなる理由も異なります。
紹介している中で言えば、「家以外の場所に行く不安感」は小学校低学年の人によく見られる理由で、それ以外の二つは小学校高学年になってから感じてくる理由です。
自分の子供がどうして学校に行きたくないと言っているかは、直接聞くか学校の先生に確認して判断しましょう。

家以外の場所に行く不安感

「家以外の場所に行く不安感」は、特に小学校低学年の生徒が感じる心理です。
家の中で親と過ごすのが心地よい、知らない世界でわざわざ新しい友達を作ることがしんどいなど、新しい場所に自分から踏み入れたくない人は学校に行くのが不安に感じるでしょう。
小学校になるとそれまでよりも外にいる時間が伸びます。親に守ってもらえない一人の時間が伸びることも不安感をあおる要因です。
ですが小学校低学年に多いと言っても、入学してから一年間経った後にこのようなことを感じているというのは、それまで学校になじめていなかった可能性、もしくは学校生活で何か新しいストレスに出会った可能性が高いです。
学校の先生に何か変わったことがなかったか聞いてみましょう。

勉強に対するストレス

「勉強に対するストレス」は、学年が上がっていくにつれて感じる人が増えていきます。
小学校低学年の頃はテストがあると言っても内容も簡単で、あまり周りとの差はつきません。テストという評価されること自体がストレスに感じている子供にはキツいかもしれませんが、小学校低学年で勉強が直接的な不登校の原因になることはほぼありません。
しかし、学年が進むにつれてテストの難易度も上がっていきます。成績もつけられて、周りとの差が浮き彫りになっていきます。
勉強ができないことで周りに対して劣等感を感じることや、親や先生から勉強をしろと圧力を受けることにストレスを感じる人は少なからずいることでしょう。
また勉強ができないために「人間関係の過酷さ」につながることも考えられます。

人間関係の過酷さ

「人間関係の過酷さ」も、学年が上がっていくうえで徐々に感じる人が増えていきます。
小学生は思春期に入る前なので、中学校や高校であるような陰湿ないじめや人間関係のつぶし合いはほとんどありません。
しかし、陰湿ではなくともクラスの中にスクールカーストは存在するものですし、他人に気を遣いながら生活している人もいます。それに馴染めなければ、学校での居場所がなくなってしまい、学校に行きたくないと感じるようになります。
人間関係は水物なので、ふとしたことがきっかけでぎりぎり保っていた均衡が崩れるということも多々あります。それに気を遣いながら人間関係を保つこともストレスになる要因でしょう。

「学校に行きなさい!」は親の事情

以上紹介したような学校に行きたくない理由があるとして、とりあえず学校に行かせるうちに回復するだろう……。そんな甘い考えの人はいませんか?
小学生からすると、学校に通うのは当然の常識です。学校に行きたくないと思っても学校に行かないという選択肢は取れませんし、無理して通うものだと思っています。
そのため、親に学校に行きたくないと申告してくる子供は、それなりに自分の中で悩みを抱えている状態だということです。
その子供に対して「学校に行きなさい!」とるのは親の都合です。
「きつくても小学校に通うのは当然だから」「周りの過程に不登校だと思われるのは恥ずかしい」そんな親のあさましい考えで、子供の心に向き合っていません。
子供が学校に行きたくない理由は何かしっかり把握してからどうするか考えるようにしましょう。

「どうすれば通うようになるのだろう?」この考え自体が間違い

子供学校に行きたくないといった時に、「どうすれば学校に通うのだろう」このように考えること自体が間違いです。
子供が不登校になった時・なりそうな時の解決は、子供が学校に通うことではなく、子供が抱えている根本的な悩みを解決することです。学校に無理やり通わせたから大丈夫というわけではありません。
極端な例で言えば、クラスでいじめられている子供が学校に行きたくないと親に告げたのに、事情も聴かずに学校に通えと言ってしまうケース。学校に通う事がいいこと絵はないと理解してもらえると思います。他の事情でも、学校に行きたくない根本的な理由を解決しなければ、突然親からも距離を取ってふさぎ込むということも考えられます。
なので、とりあえず学校に行かせようという考えは捨てましょう。

原因の追究は子供にしない

根本的な原因を解決する必要があると説明しましたが、子供自体がその原因を理解していないケースもあります。特に低学年の子供であれば、なんで学校に行きたくないのか自分でも理由は分からないけれど学校に行きたくないという人もいます。
そのような子供に無理に事情を聞きだそうとすることで子供のストレスに感じることもあるので注意しましょう。根掘り葉掘り聞こうとすれば、学校に行けと言われているような圧力を感じて、親が味方じゃないと思う子供もいます。
そう感じさせないように子供への質問は最低限に、詳しい事情は学校の先生に話を聞くことをおすすめします。子供には、家が安心できる空間だと思わせるようにすることで、今後の回復につながります。

親の正しい対応はなに?

ここまでで子供が学校に行きたくないと言ってくる心理や原因、言ってきた時にどんな行為を取るといけないのかは理解していただけたと思います。
では実際に親ができる小学生の子供への正しい対応を確認していきましょう。

  • 学校に行くことを強制しない
  • 友達と遊ぶなら遊ばせる
  • 勉強はやりたいならさせる

上記の三つの対応を見ればわかると思いますが、親は基本的に子供の行動を「見守る」ということが重要です。
「子供が不登校になったら寂しいだろうから家にいてあげよう」と自分の考えで決めつけてはいけません。もちろん小学校に入学したばかりの子供であればその方が良いと思いますが、不登校になる学年ごとに親に取ってもらいたい対応は変わるものです。
そっとしておいてほしいという子供もいますので、どう対応してほしいのかは直接対話して確かめることが大切です。
そのうえで、以下に詳しく解説する三点を意識的に行いましょう。

学校に行くことを強要しない

「学校に行くことを強制しない」というのはこれまでにも説明してきましたが、これは直接声に出して伝えてあげるべきです。
学校に行きたくないと親に告白した子供にとっては、学校に行かないことは悪いことだと考えていることは多いです。学校に行けと言わずに黙って過ごしているだけだと、学校に行かないことを親はよく思ってないだろうなと想起するでしょう。
きちんと言葉に出して「学校に行かなくてもいいんだよ」と伝えることで、親は自分の味方だと考えるようになります。子供に安心感を与えることができる上に子供が何が嫌だったのか聞き出しやすくなります。

友達と遊ぶなら遊ばせる

「友達と遊ぶなら遊ばせる」というのも、親ができる対応の一つです。
学校に行かなくなったとしても、近所の仲のいい子供や学校外で遊んでいた子供と遊ぶという状況はあるでしょう。「学校を休んでいるのに遊んでもいいのだろうか」と考える子供もいるかもしれませんがこの場合は遊ばせてあげましょう。
不登校になって最も大きな問題は、他人とのつながりがなくなるということです。
小学生の時期に社会性を身に着けることができないのは後々大きな問題になりかねないので、他人との交流の機会があって、子供も望んでいるならばそれを推奨してあげましょう。

勉強はやりたいならさせる

「勉強はやりたいならさせる」というのは勝手なように見えますが、正しい対応です。
学校に行かなくなることで起こる問題は、他人との交流不足のほかに学習の遅れもあります。そのため勉強だけはさせておかなければならない、と考える人も多いでしょうが、子供が小学生であればそれほど勉強に固執する必要はありません。
というのも、学校に行かなくなった当初は、子供も精神的に疲弊している状態です。
そのようなときに無理に勉強をさせたところで、学習効率は悪いうえに学校での授業を想起させてしまうだけです。子供が自主的に勉強すると言い出すレベルまで精神が回復したところで、勉強をさせるのがよいでしょう。
また、勉強の遅れに関して心配する人もいると思いますが、小学校での勉強の遅れは間違いなく本気で勉強するときに取り戻せます。焦らずに待つことも親の務めです。

子供に第三の場を与えるのも効果的

親が直接できる対応は前述した通りですが、そのほかにもできることはあります。
それが子供に家と学校以外の場(サードプレイス)を準備してあげることです。
子供が学校に行かなくなるうえでの最も大きな問題である他人との交流不足を解消することができます。
このサードプレイスにはスポーツクラブや塾といった習い事と、フリースクールという学習環境が整備されたところが挙げられます。
学校生活のような環境を準備してあげたい場合はフリースクールに通わせてあげるといいでしょう。フリースクールとは民間や個人で運営している学校のようなもので、色んな年代の不登校の人と過ごすことができる場所です。
同じ年代の人との交流を増やしたい場合は各種習い事、年代が違ってもいいから学校生活のような環境を与えたい場合はフリースクールがおすすめです。

一番大切なのは自主性

学校に行きたくないといった子供には、自主的に考えて行動させるというのが親の使命です。親に言われたからこうするではなく、学校に行かない代わりに何をして過ごすのか、学校に通う条件は何かを子供に考えさせましょう。
学校を変えれば不登校が治るのか、それとも周りに他人がいる環境が嫌なだけだから保健室登校ならできるのか。それを子供の口から言えるように考えさせましょう。
そのために、両親ができることは「見守る」という態度が最も必要なのです。

学校に行きたくないというのは「助けて」のサイン!正しい対応をしよう

子供が学校に行きたくないと親に告げる時点で、何らかの不安やストレスを溜めん戸でいます。その言葉を軽視して学校に通わせるのではなく、無理に学校に通わなくてよいと伝えてあげることが大切です。
「不登校」という表面的な問題を解決するのではなく、どうして不登校になったのか、どうすればよいのかという根本的な原因を解決するようにしましょう。
その際に、「見守る」という対応が重要になってくるので、意識して行動しましょう。
子供のSOSのサインを見逃さず味方になってあげることが早期解決につながります。