通信制高校から公務員になるための3つのポイント

公務員

通信制高校卒業後の進路は様々です。その中でも公務員は、リストラがなく安定した職業として若い方からも人気があります。公務員の受験資格は基本的に設けられていないため、年齢さえ達していれば誰でも公務員試験に申し込むことができます。

とは言っても、何もせずに公務員になれるわけではありません。今回は通信制高校卒業者が公務員になるための3つのポイントをご紹介します。

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通信制高校卒業者でも公務員になれる

通信制高校から公務員になるためには、公務員試験を受験する必要があります。(試験の日程と科目については後ほど詳しくご紹介します。)
高校を卒業した方でも国家公務員になることができますが、高卒程度の一般職に限定されます。

同じ国家公務員でも大卒と高卒には違いがある

大卒と高卒の大きな違いは初任給です。
平成27年度を例に挙げてみると同じ「一般職」として採用された国家公務員でも、大卒程度は174,200円、高卒者は142,100円と、大卒程度の方が高く設定されています。

また、キャリア官僚を目指す場合は大卒以上が前提です。大卒の中でもさらに、国家公務員総合職試験で採用された方がキャリア官僚の道を歩むことができます。
一般職として採用された高卒の方も勤続年数、成果によっては昇給しますが、キャリアに比べれば出世には限界があります。
大学進学についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。⇒『通信制高校から大学進学は可能?

通信制高校卒業者も目指せる公務員の職種

続いて、通信制高校卒業者が目指すことができる公務員の職種をご紹介します。高卒で就ける公務員の職種は国家公務員一般職か地方公務員の2種類です。

国家公務員一般職(高卒)

国家公務員一般職(高卒)は高校生の就職先として最も人気と言っても過言ではありません。
そのため、倍率は非常に高くなっています。合格者は受験生の一握りですが、社会的な地位や給料などを考慮すると人気の高さも納得できます。
国家公務員一般職の中でもさらに一般職と専門職、特別職に分類されます。それぞれ確認してみましょう。

一般職

主に事務処理業務に従事します。採用区分は事務、技術、農業、土木、林業の5つに分けられます。

専門職

一般職よりもさらに特定の分野に特化した専門的な知識やスキルを必要とする業務に従事します。専門色には刑務官、入国警備官、税務職員、海上保安大学校生などが挙げられます。

特別職

特別職には裁判所職員、衆議院事務局職員、参議院事務局職員などが挙げられます。そのほかにも国会図書館の一般職など、国会や司法機関で働く公務員を指します。

地方公務員

地方公務員とは地方自治体で働く職員です。全国に3000か所以上ある地方自治体の中で幅広い仕事に携わることができます。
地方公務員の中では、事務系、技術系、公安官に分類することができます。

事務系

一般事務などを行う一般職は最も採用が多く、ほとんどの自治体で採用が行われています。
行政事務、学校事務、警察事務の3種類に分類されています。
行政事務は、本庁の知事部局や市町村長局、出先機関、行政委員会事務局、議会事務局、j公営企業などのあらゆる分野に勤務地が広がっています。
学校事務は各都道府県、市町村の公立学校での事務全般を行います。勤務先は基本的には学校です。
警察事務は警察業務の事務部門を担当します。勤務先は都道府県の警察本部や警察署です。

技術系

技術系は持っている専門技術によって働く分野が絞られます。技術系の分野は大きく分けて11種類に分けられます。一般職と異なり、専門知識が必要とされる分野なので、学校で勉強し、専門知識を身につけておきましょう。

技術系一覧 電気/機械/土木/建築/化学/農業/農業土木/林業/畜産/水産/造園

公安職

公安職は主に、警察官と消防官に分類されます。市民や町民の安全を守るのが公安職の役割です。

警察官は都道府県単位で採用される公務員で、警務部門、刑事部門、外勤部門、防犯部門、警備部門、交通部門の6種類に分類されます。警察官の中でも代表的な警務部門は警察装備の完治、警察施設の管理、人事管理や広報活動、採用試験に関する事務などの警察組織を円滑に動かす双務の役割を担います。
刑事部門では殺人や強盗、横領や詐欺などの事件の捜査を行います。

消防官は市町村単位で採用される公務員で、東京都以外の方は高卒の方は消防士B試験を受験します。しかし、東京の方は採用試験が特別で高卒の方はⅢ類試験を受験します。消防士は「地方公務員」なので、自治体によって試験の日程や内容が若干異なります。ご自身が受験する地域でどんな試験方法になっているのかを確認しましょう。

公務員コースがある通信制高校

公務員になるための勉強が組み込まれているコースを選択しましょう。

ヒューマンキャンパス高等学校

ヒューマンキャンパスには地方公務員初級という公務員コースがあります。
公務員コースのポイントは3つ。
1つ目は基礎学力のレベルアップです。時事問題、数的数理、資料解釈、判断推理、文章理解で正答率8割を目標に実際の試験を想定した学習指導を行います。
2つ目は丁寧で親身な作文指導です。作文指導だけでなく、一般教養やビジネスマナーも身につけることで面接対策も行うことができます。作文は抽象的な話題が多いのが特徴ですが、日頃から何度も練習を積み重ねていれば時間内に書き終わることができます。作文には答えがありません。そのため、先生が親身に指導してポイントを伝えてくれます。
3つ目は、経験豊富な専門講師からの指導です。公務員試験では1問の出来、不出来で合否が決まる試験です。問題の正答率と時間配分を意識しながら解かなければならないため、取り掛かる問題を選択する勇気も必要です。どの問題には時間をかけて、どの問題は素早くこたえるなど、経験豊富な専門講師が丁寧に指導してくれるため、効率良く問題を回答することができます。

学費 卒業率 スクーリング日数 専門授業数
736,000円/年 週に3~5日コース
週に1~5日コース
年に数回コース
20分野

大原学園高等学校

大原学園は公務員・警察官・消防クラスが用意されています。毎年高い合格率を誇るのには4つのポイントがあります。
1つ目は、充実した情報提供です。官公庁人事担当者のガイダンスや大原から公務員になった数多くの卒業生がガイダンスを開催し最新情報を提供します。
2つ目は、教師の手厚い面接トレーニングです。各科目の専門の教師が丁寧にわかりやすく指導しています。学習面だけでなく、コミュニケーション能力も磨き、テクニックに頼らない面接対策を行います。
3つ目は、大原学園高等学校オリジナルの教材です。公務員の出題傾向を徹底的に分析し、毎年教材を改訂しています。問題の傾向を押さえているため効率よくステップアップできます。

学費 卒業率 スクーリング日数 専門授業数
公務員コース
1,020,000円/年
8種類

まとめ

公務員試験の日程と内容

続いて、受付期間と試験日程についてご紹介します。
民間企業の就職活動の時期と若干ずれて行われるため、民間企業と並行して受験する方はしっかり計画を立てて準備しましょう。

日程 時期
受付期間 6月下旬~9月上旬
第1次試験 8月下旬~10月上旬
第2次試験 9月下旬~11月下旬
合格発表 10月下旬~11月下旬

高卒程度の公務員試験には、基礎能力を計る一般知能と一般知識問題、それ以外には作文試験、適性試験、面接試験が行われます。基礎能力を計る試験は数学、理科、社会などが出題されます。内容は大卒程度試験と同等ですが、難易度は低めに設定されています。
筆記試験と並行して作文や面接、適性試験も行われます。また、技術系の方は専門試験も課せられるため、事前に確認しておきましょう。

公務員になるための2つのポイント

最後に、通信制高校卒業後、公務員になるための3つのポイントについてご紹介します。
一つ目は高卒でも就ける公務員の職種を確認することです。高卒でも就ける一般職の国家公務員と大卒しか就くことのできない総合職の国家公務員、地方公務員でも事務職と技術職があることを把握しておきましょう。

二つ目は公務員コースのある通信制高校に入学することです。公務員になるためには面接以外にも勉強が欠かせません。先にご紹介した公務員試験対策ができるコースを受講して対策をとることが大切です。
また1次試験突破には最低1年は勉強が必要です。1次試験に突破したとしても、2次試験があることを念頭に置きましょう。人気の職業に就くための努力を惜しまず対策に時間をかけていきましょう。