学校は嫌い、学校に行きたくないという悩みを抱えている子どもは約12万人もいるといわれています。
そんな子どもたちが胸に抱えている問題を乗り越えていけるよう、助けとなってくれるものの一つが本なんのです。
ここでは本を読むことが子どもの心に与える影響、不登校の子どもにおすすめの本、そして不登校の子どもを持つ親御さんにおすすめの本について紹介していきます。
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不登校の子に多い特徴
まず知っていただきたいのが、不登校になっている子はどんな特徴を持っていることが多いかということす。
人より感性が豊かで周りと合わない
不登校になる子の多くは感性が豊かで賢い子が多いです。
そのため同年代と比べて感じることが違ったり、「なんだか合わない」と感じることが多くて、周囲の環境に馴染めなかったりします。
自分を押し殺して人に合わせてしまう
自分が人と違うことに不安を感じて周りに合わせすぎてしまう。
そのため自分から意見を発信できず、我慢する場面が増えてストレスをため込んでしまう子も多いようです。
不登校の子が本を読むことで得られる効果
読書にはストレス解消とリラックス効果がある
イギリスのサセックス大学の調査によると、読書にはストレス解消とリラックスの効果があるという調査結果が出ています。
その調査によると、なんと読書によって68%もストレスを減少させることができたという結果が出ているんですね。
その際大切なのは、脳内で本のストーリーを理解し登場人物に共感すること。
なので読むなら不登校の子が共感しやすい主人公であったりストーリー展開の本がおすすめです。
本は心を整理する手伝いをする
ストーリーや主人公に共感できる物語に入り込むことで、これがもし自分だったらどう思うだろう…と考えることにもつながります。
それにより自分が何に不満を持っているのか、何に怒っているのか、何を求めているのかを整理することにもなり、問題解決の糸口を見つける助けとなってくれるのです。
先に説明していたように、不登校の子には感性が豊かで頭のいい子が多いため、読書によって気持ちを整理するという方法も向いていることが多いです。
紹介する本の特徴
不登校の子どもにおすすめの本と言っても、少し調べただけでたくさんの種類の本があることがわかります。
そこで今回この記事ではどのような基準でおすすめの本を厳選したのかお伝えします。
学校生活に息苦しさを感じている主人公
今回紹介しているのはどれも不登校だったり、学校生活に息苦しさを感じている子どもが主人公の物語です。
似た境遇にいる主人公に自分を重ねやすく、物語に入り込みやすいものを選んでいます。
物語に夢中になれるファンタジー要素
主人公は自分と似た境遇でありながらも、物語にはファンタジーを含む非日常的な要素が取り入れられています。
わくわくした気持ちで読み進められる一方、じめや不登校といった問題に向き合うシリアスな描写もあり、重くなりすぎず夢中で読み進められます。
タイトルから学校や不登校を連想しにくいもの
タイトルに「学校」「不登校」「いじめ」のような言葉が入っていたり、それらを連想するようなワードが含まれていると、その本を手に取りたいと思う気持ちを阻害してしまうことがあります。
つらいことを考えたくない、思い出したくないというような警戒心が生まれてしまうのですね。
そのため、タイトルにあからさまな言葉が使われていない物語を選んでいます。
不登校の子におすすめの本 厳選4選
ではここまでの解説を踏まえて不登校の子どもにおすすめの本を紹介していきます。
かがみの孤城
辻村深月先生の「かがみの孤城」です。
【あらすじ】
主人公は不登校の中学1年生。
ある日、部屋の鏡が突然輝きだす。
鏡をくぐりぬけた先はある城の中に通じており、そこには主人公以外にも同じような境遇の中学生7人が集められている。
城では彼らに一つに課題が出され、7人は戸惑いながらも少しずつ心を通わせていく。
子どもたちだけでなく主人公の周囲に大人たちの心情も細かく描かれており、子どもにも大人にも読んでいただきたい物語となっています。
西の魔女が死んだ
梨木香歩先生の「西の魔女が死んだ」です。
【あらすじ】
中学に進学して早々に不登校となった、英国人と日本人のハーフである「まい」。
持病の喘息への配慮もあり季節が初夏へと移り変わるひと月余りの間、まいは西の魔女こと、主人公のおばあちゃんのもとで過ごすことに。
毎は大好きなおばあちゃんから魔女の手ほどきを受けるが、魔女修行の肝心かなめは、なんでも自分で決める、ということだった。
この魔女の修行を通じて、まいは強くたくましく成長していく。
感受性豊かな女の子「まい」の視点で紡がれる物語の繊細な描写や作りこまれた世界観が魅力。西の魔女こと、おばあちゃんの包み込むような愛を感じながら時間を忘れて読み進んでしまいます。
果てしない物語
ドイツのミヒャエル・エンデ著「果てしない物語」です。
【あらすじ】
主人公はいじめられっ子の少年。
デブでチビの少年バスチアンは古書店で目にした一冊の本にたちまち魅了されてしまう。
その物語では女王「幼ごころの君」が病に倒れ、何もかも飲み込んでしまう「虚無」が王国を滅ぼそうとしてる。
バスチアンはその不思議な世界に入り込み、数々の冒険を繰り広げていく。
「ありのままの自分」がいかに貴重で尊いものかを気づかせてくれる物語です。
カラフル
森絵都先生の「カラフル」です。
【あらすじ】
「おめでとうございます!抽選に当たりました!」
生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた主人公の魂が天使業界の抽選に当たり、再挑戦のチャンスを得る。
しかしそのためには、自殺を図った中学3年生の少年小林真の体にホームステイし、生前の自分の罪を思い出さなくてはいけないという。
生き返りのチャンスを掴むため、小林真として過ごすうちに主人公の心は変化していきます。
今まで見えていたものは実は物事のほんの一部の側面に過ぎない。
視点を変えてみることで、見えるものも変わり、気づくことも増え、考え方も変わる。
今より少し視野を広げることができれば、世界はもっとカラフルで鮮やかなのだと気づかせてくれる、そんな物語です。
子どもが学校に行きたくない理由は多様で複雑
子どもが学校へ行きたくない理由は多様であり、さらに複雑です。
子ども自身でさえ、学校に行きたくない李通を上手く説明することができないこともあります。
まずは不登校という状況についての理解を深め、対応するための手立てを増やしておくことが大切です。
不登校の子の親御さんにおすすめの本
不登校は1日3分の働きかけで99%解決する
不登校になってしまった理由は追求せず、1日3分の家族の働きかけにより再登校が実現すると述べられています。
主に小学生、中学生の不登校について書かれており、子どもに自信を持たせるポイントや不登校支援の成功事例などが解説されています。
不登校になったら最初に読む本 親と先生と子どものための再出発へのヒント
常に子どもたちを見守ってきた校長先生の多面的な視点で不登校をとらえ解説しています。原因をどうとらえ解決方法を見つけていくかのヒントを見つけるための一冊となっています。
「学校に行きたくない」と子どもが言ったら読む本。親が知るべき不登校(登校拒否)に関する、正しい考え方と対処法。10分で読めるシリーズ
10分で読めるシリーズとは読書をする時間をなかなか確保できない人のために10分で読める文量でまとめられたシリーズのことです。
スクールカウンセラーとしても不登校にかかわったことのある著者が親や支援者に向けて不登校を解説しています。
不登校に関する本を読むときはレビューを参考に
不登校に関する理解を深めるために本を読むことはおすすめですが、手当たり次第に読み漁ることは避けましょう。
読む本を決める際には、その本のレビューなどを確認して評価の高いもの、役に立ったというコメントの多いものを選ぶようにしましょう。
本を読む余裕がないときはSNSも参考になる
もし時間的に、もしくは精神的に、本を読む余裕がないというときには、SNSを活用してみるのも一つの方法です。
例えばインスタグラムで「不登校」と検索してみると、不登校の子どもを持つ親のリアルな経験談やどのような支援を行ったかなどをまとめた投稿などを見ることができます。
一つの投稿なら数十秒で読めるようなものがほとんどですから、気軽に情報を得ることができます。
子どもが嫌がるときは無理にはすすめない
不登校の子どもに読んでもらいたい本を紹介してきましたが、子どもが嫌がる際には無理にはすすめないようにしましょう。
やらされているという感覚になってしまうと、子どもの意欲をそいでしまうことにもつながります。
本人の気持ちを優先に、取り組んでいきましょう。
まとめ
不登校の子に読んでほしいおすすめの本と、親御さんにおすすめ本について紹介しました。
本を読むことにより、物語の登場人物や主人公に自分を投影することで、自分の気持ちに気づくことができたり考えを整理することができます。
一冊の本が、子どもが前向きに考えられるようになるきっかけとなるかもしれません。
ぜひ子どもをサポートするための一つの方法として検討してみてください。