不登校の子供が発達障害だった割合は?どう対処すればいい?

子供が不登校になってしまうと、何としてでも通わせたいと思う親もいると思います。
しかし、その不登校になる理由には発達障害が関係しているのかもしれません。
発達障害を持っている子供が不登校になる確率は、一般的な子供より高いと言われていますので、無理やり通わせない方がよい可能性もあります。
この記事では発達障害の子供が不登校になる割合となぜ不登校になりやすいのか、その後の対応を解説しています。
子供が急に不登校になって不安に感じている人は参考にしてください。

※本ページにはPRが含まれます。

そもそも不登校の定義はなに?

不登校とは、文部科学省の定義によると「年間30日以上休むこと」とされています。
つまり何日間も連続して学校に行かなくなった子供だけではなく、定期的に欠席する生徒も含みます。
30日を超えて欠席する場合、単純な病欠ではないことが多いからです。
入院していて通えないケースや身内の不幸で欠席する必要があるケースもありますので一概には言えませんが、大体30日以上学校を欠席している人は不登校であると言えるでしょう。

不登校の割合は全体で1.9%、発達障害の子供に絞れば5%を超える

小中学校での不登校の生徒の割合は全体で1.9%、発達障害の生徒の中では5%を越えます。調査の方法によっては発達障害の子供が不登校のケースは30%を超えるという結果が出ている調査もあります。
このように、発達障害の子供が不登校になっている割合は非常に高いです。
中には不登校になったことを保護者が心配して検査したら発達障害だったと判明するケースもあるようです。
突然学校に行きたくないと言われた時は、理由を探って検査してみるとよいかもしれません。

発達障害の子供が不登校になる理由

発達障害の子供は、なぜ他の子供に比べて不登校になる可能性が高いのでしょうか?
不登校になるケースで一番多いのは「いじめられて」というケースだと思いますが、そのいじめられることにも理由はあります。
今回はそのいじめられる前段階に絞って、三点紹介します。

  • 学力面でついていけない
  • 集団生活ができない
  • 勉強に集中できない

以下で順に解説していきます。

学力面でついていけない

発達障害の子供は、全教科ないし特定の教科で学習が追い付かないことがあります。
真面目に取り組んでいるのに理解ができない、少しずつ学習に後れをきたすといった障害になります。
必死にやっているのに周りの生徒からバカにされることや、だんだんと勉強が苦しくなっていくことで不登校になってしまいます。
このようなケースは学校の成績を先生に聞くことで判明します。

集団生活ができない

発達障害の子供は、その多くが集団生活に苦しさを感じています。
他人と合わせないマイペースな子供が多いので、集団で周りに合わせないといけない生活が面倒に感じてしまうのです。
無理やり周りに合わせて苦しむか、周りに合わせずに変わったやつだという視線を浴びるかどちらかです。
そうなってしまうと学校にわざわざ行くこと自体が嫌になってしまい、不登校になります。
これは学校の先生からの評価とともに、医師から診断を受けて判明します。

勉強に集中できない

発達障害の子供は、何らかの障害のせいで授業を集中して聞くことができません。
例えば多動症の子であれば一時間座った状態で話を聞くことは困難ですし、聴覚過敏の子であれば周りの筆記音すら目障りになります。
このような場合は勉強に遅れが生じるだけではなくて、授業を何時間も聞くだけでも苦痛なので、不登校になってしまうケースも多いでしょう。
このようなケースは小学生前半で判明することが多いのでいじめとはほぼ関係ありませんが、その疑いがある場合はすぐに医師に診断してもらいましょう。

小学校で発達障害が判明したときのその後の学校選び

小学校の間に発達障害が原因で不登校になった場合、その後の義務教育を受けさせる必要があります。
その際に元居た学校に戻すのか、それとも他の学校に通いなおすのかを判断しないとおけません。
どのような場合にどのクラスに通わせるのがよいか、三つに分けて解説します。

元の学校のような環境である「通常学級」

「通常学級」とは、大多数の子どもたちが通う学校にあるクラスのことです。
1クラスに在籍している子どもの数は40名程度で、それまで通っていた学校と同じ環境です。
発達障害があると認められた子供は、個人的に学習指導が計画されて重点的に学習をお願いすることが可能です。
例えば拡大教科書などの特殊な教材を使うこともできます。
元の学校に戻っても学習自体は問題なく進めることができる発達障害のレベルが低い場合や、本人が元の教室で学びたいといった強い希望がある場合はこの「通常学級」で学習することになります。

通常学級に追加して通う「通級指導教室」

「通級指導教室」とは、通常学級に在籍をしながら週に何時間か別の教室で学習を進めるクラスのことです。
つまり、通級指導教室は通常教室と組み合わせて利用されます。
発達障害の種類とレベルによって受けれる指導の種類も変わってきますので、個人に合わせた学習が可能です。
特定の教科の習熟度が著しく低い生徒などに利用されます。

発達障害の人で構成される「特別支援学級」

「特別支援学級」とは、通常の学校に入っている特別なクラスです。
一クラス10人未満の小規模なクラスで、特別支援学校の学習指導要綱に沿って学習が進められます。
通級指導教室に比べて毎時間が特別指導なので、よりその人に合った学習スピードで学習に取り組むことができます。
通常学級の子供と一緒に学習を進めるのは困難だという人は、この特別支援学級に入る必要があります。

発達障害の人たちの学校「特別支援学校」

「特別支援学校」では、クラス単位ではなく学校自体が発達障害の子供が通うものになっています。
特別支援学級で通常学級の生徒と会うのは苦痛だという人や、そもそも周りに特別支援学級がないという人はこの学校に通うことがほとんどです。
周りが同じ発達障害を持っている子供の親ばかりなので、相談相手にもなってもらえることも魅力的でしょう。

高校に通わせたいなら通信制高校がおすすめ

中学校で不登校になって発達障害が判明した人や、発達障害ではないけれど学校に行きたくないとふさぎ込んでしまった人が進学する場合は、通信制高校がおすすめです。
高校からは義務教育ではないので、特別支援学校のようなものはありません。
しかし、高校に通っておくメリットはたくさんありますので、発達障害が心配だけれども高校での学習をさせておきたいという保護者の方は多いでしょう。
通信制高校は発達障害の人が通っていることが多く、全通信制高校の生徒のうち8.5%は発達障害の子供と言われています。
なぜ通信制高校はそれほどに人気があるのでしょうか?
その理由を以下で解説します。

無理に周囲と合わせる必要がない

通信制高校の学習は基本的に自宅で自学自習です。
そのため、無理に周囲の人間と合わせて活動する必要がありません。
一緒に足並みをそろえて一時間椅子に座って学習しなくてよいので、非常に学習しやすい環境と言えるでしょう。
また、通信制高校は単位制です。何年かかっても単位を取り切れば卒業が可能です。
学習に不安を抱えている生徒も、時間をかけて勉強すれば確実に卒業することができる点が魅力です。

特定の発達障害に対応した学校もある

通信制高校の中には、特定の発達障害の人に特化した学校があります。
例えば学習障害や注意欠陥多動性障害などの発達障害といった具体的な発達障害を持つ生徒を集めているので、同じ悩みを持つ人の中で学習ができます。
教師も障害に理解がある人ばかりなので、学習の遅れや勉強中の悩みなどを、積極的に相談することができます。
普通の全日制の高校に無理して通うよりも単位も取りやすく、学習も自分のペースで行うことができるというメリットがあります。

興味のある分野を伸ばせる可能性も

通信制高校の中には、普通科だけではなくてコンピュータに特化したコースやアニメやゲームに強いコースなど、様々な専門コースが存在します。
このような専門コースが設置されている通信制高校では、将来の仕事に向けた学習も行うことができます。
全日制の高校のように集団で学習しないことで、逆に選択肢を広げることができるということにつながっています。
不登校の子供で特にやりたいことがあるようであれば、このような通信制高校の専門コースを活かしてみてはどうでしょうか?

不登校の原因には発達障害の可能性も。子供としっかり向き合おう

不登校になった子供は、ただ単に学校が嫌になったというわけではなく、発達障害を患っているという可能性もあります。
まずは子供がなぜ学校に行きたくなくなったのか原因を追究して、場合によっては医師に相談してみましょう。
そして、発達障害だった場合はその後の学校生活をどうするかについても考える必要はあります。
この記事で紹介した学習するクラスや進路を参考にしていただけたらと思います。