子供が突然不登校になってしまうと、テンパってしまいどうすればよいかわからなくなるものです。それが小学生の幼いお子さんだと、そばについてあげた方が良いのかそっとしておく方が良いのかなおさらわかりづらいですよね。
ですが一番子供と接してきた時間が長い母親自身が動揺している姿を子供に見せてしまうと、その動揺は子供に伝わります。学校に嫌だけど行かなければならないという圧力を与えてしまいかねません。
この記事では小学生の子供が不登校になる原因を紹介してから、それに対して母親はどのように対応すればいいのかを解説しています。
ぜひ参考にして、子供の味方になってあげましょう。
※本ページにはPRが含まれます。
目次※クリックで見たい所へ移動できます
小学生の不登校率は年々上がっている
小学生は思春期で多感になってしまう時期よりも前なので、不登校になる中学・高校に比べて少ないです。小学生全体で見ると0.7%です。
当然年齢が上がっていくのに比例して不登校の率は上がっていきます。
しかし、これは不登校になることが珍しいということを言いたいのではなく、小学生でも不登校になってしまう子供はいるということです。
数としては最も少ないですが、小学一年生でも不登校になる人はいます。
自分の子供が不登校になったことを悲しむのではなく、どのようなことが原因でどのように対応すればよいのかを確認していきましょう。
小学生が不登校になる原因
小学生が不登校になってしまう原因は様々です。しかし、共通しているのは大抵の場合は原因が一つではないということです。
以下に特に主要な原因を三種類紹介しますが、それらの原因が並列で発生していることが普通です。例えば勉強ができなくなって友人関係が悪化した、などのケースが考えられます。
また小学生という幼い分、本人自身も自分が学校に行きたくない理由が認識できていないことがあります。
そのため、親は不登校になっているという表面的な問題にとらわれず、なんで学校に行きたくないのか、根本的な原因は何かを探る必要があります。
最も主要な三つは、以下の通りです。
- 友人関係の不和
- 学業不振
- 家庭内の不和
特に小学生では最後の家庭内の不和が原因で学校に通いたくなくなるということが多いです。その理由も合わせて、それぞれ解説します。
友人関係の不和
「友人関係の不和」は、小学生から高校生までの子供が不登校になってしまう原因の中で最も多いものです。この原因にはいじめを含みますが、いじめが原因で不登校になるケースは非常に少ないです。小学生が不登校になる原因の「友人関係の不和」は20%を超えていますが、いじめが原因と答えた人1%以下です。
いじめという大々的な原因がなくとも、小さな軋轢がたまっていくといつも話していた友達と話しづらい、だんだんと話す人がいなくなっていくといった事情に繋がります。低学年だと自分がなんで友達から距離を取られているのかもわからないということもあります。
低学年と高学年で原因をどれほど追究すればよいのかも関わってきますから、後述する対応の仕方を参考にしてください。
学業不振
「学業不振」は学年が上がっていくにつれて割合を増していく原因です。
小学校低学年ではほとんど見られませんが、高学年になると成績だんだんと可視化されていくので周囲との差が浮き彫りになります。テストの点数をいじられたりバカにされたりすると、劣等感を感じて自己肯定感の喪失につながります。
また、親から勉強ができないことを責められるのが原因になる子供も多いです。
将来的に勉強ができた方が良いと思って子供を怒ってしまうのは分かりますが、勉強をできないと怒られることは子供にたいして圧迫感を与えます。
また小学生の勉強ができない原因は、学習障害であることも考えられます。特定の教科だけができないといったことや、勉強はしているのに覚えられないという症状があれば、学習障害の疑いがあります。
どちらにせよ、子供が勉強していないことを怒るのはいいですが、勉強ができないことを責めてはいけません。
家庭内の不和
「家庭内の不和」は、小学生ときに特に不登校になりやすい原因です。
小学生が不登校になる原因の中で50%を越えています。
この家庭内の不和とは、両親や兄弟関係の悪化だけではなく、両親の離婚や生活環境の変化など、家庭環境の変化のすべてを含んでいます。
中学生にもなれば親からは放っておいてほしいという人が増えて、あまり家庭環境が原因で不登校になる人は多くありません。しかし、成熟していない子供にとって、家庭は自分の性格や価値観を形成する重要な要素です。信頼できる家族にかこまれる環境が乱れていると、幼い子供にとってはかなりのストレスになるでしょう。
母親の対応は?選択肢は二つ
小学生の子供と一番話す機会が多いのは母親です。子供が不登校になってしまった時に子供を一番支えることができるのも母親でしょう。
母親は、子供への対応策として、大きく分けて二つの選択肢があります。。
- 仕事を辞めて家で過ごす
- 仕事を辞めずにいつもどおり接する
基本的に家計を支えているのは父親でしょうし、父親が仕事を辞めるわけにはいかない家庭は多いと思います。そのため、子供と接する時間を増やそうと思えば母親が仕事を辞める、ないしは休む必要があります。
ですが、この二つはどちらを選ぶのが正解というわけではありません。どちらの選択肢も正解であり不正解です。
なので、まずはそれぞれを選んだ時のメリットデメリットに関して説明します。
①仕事を辞めて家で過ごす
小学生の子供は精神的に未熟です。学校に行かずに一人で家にいるのは不安だから、家にいてあげたいと考える母親も普通でしょう。
子供にとっても精神的支柱になっているのは母親のことが多いですし、母親が傍にいてくれるというのは心強いことが多いです。特に女子の場合は同性で悩みも相談しやすいと思います。
子供を傍で見てあげられる上に、他人との交流が減った中で話し相手になれるのは、母親が仕事を辞めて家にいるメリットです。
しかし、母親が家にいるということは、逆説的に言えば母親も他人との関係が希薄になるということです。人との交流が減ってしまうと、母親自身も精神的に疲弊してしまいます。
その結果子供に対して学校に行くように急かすようなことがあれば、状況としてはさらに悪くなってしまいます。
子供のために自分が疲れるということが大きなデメリットでしょう。
②仕事を辞めずにいつも通り接する
仕事を辞めないことのメリットは、家にいる場合の逆で、母親が精神的に疲弊することがありません。職場の子育てをしている他の人からアドバイスをもらえることもあるでしょうし、自分のリフレッシュもできます。
また、親から放っておいてほしいという子供にとっては家が自分の居場所になるでしょう。親から学校に行ってほしいという圧力を感じることもありません。
デメリットは子供が本当に構ってほしいと思っている場合に対応できないことです。
学校でいじめられて不登校になってしまったという子供は、安心できる話し相手を求めているでしょうし、小学校低学年の他人との交流が大事な時期ならば誰とも話さずに家に一人でいるというのは教育上よくありません。
どちらの方が良いかは子供と話し合う
子供の一番の理解者である母親が仕事を続けるかどうかはそれぞれにメリットがあります。子供がどうしてほしいかを聞いて、望むようにしてあげるのがよいでしょう。
どうしても一人になるのが不安な子もいれば、親には放っておいてほしいこともあります。大まかな年齢で行くと、小学校低学年は母親が家にいてくれた方が安心でしょうし、高学年になるとあまり構ってほしくないという人が増えるでしょう。
ですがそれを親の判断でするのではなく、しっかりと対話してどうするか決めることが大切です。「不登校になる」というのは精神的に疲弊している証拠です。誤った対応をしないように注意しましょう。
具体的な対応策は?
母親が仕事をどうするかはそれぞれの子供に合わせるのが良いのは理解していただけたと思います。ここからは、具体的に不登校になった子供にどんな対応をすればよいか解説していきます。
不登校の子供に対して、間違えても無理やり学校に行かせることや、行かないことを怒るのはいけません。
実際に取った方が良い対応策は以下の通りです。
- 学校を休んでも問題ないことを伝える
- ねぎらいの言葉をかける
- 学校の先生に様子を聞く
- 保健室登校を進める(回復後)
不登校になってしまった子供に対して親ができることを時系列順に紹介しています。
なぜそのような行動をとる必要があるか解説していますので、参考にしてください。
学校を休んでも問題ないことを伝える
まず子供が学校に行きたくないと伝えてきた時は、学校を休んでもよいと伝えてあげることが必要です。
小学校のうちは学校に行くことが当たり前で、子供は学校に行きたくないと親に伝えるだけでも相当な気持ちで伝えてきています。学校に行きたくないと思っていたのは少し前から思っていたはずで、何かを我慢していて限界に達して親に伝えるというケースが多いです。
そのため頑張っていくことを促すのではなく、学校を休んでもいいと言ってあげましょう。子供にとって親が味方だとわかるので、その後の原因の把握や話し合いもしやすくなります。
無理やり学校に行けと言ってしまうと、無理に学校に通った後に一人でふさぎ込んでしまうということも考えられます。世間の目が気になるからといった親の都合で学校に通わせるのはやめましょう。
ねぎらいの言葉をかける
学校に行きたくなくなった理由を教えてもらえた後は、子供にねぎらいの言葉をかけてあげましょう。なんで学校に行きたくないと思ったのかを告白するのは、子供にとっては自分の弱さを打ち明ける行為です。思い悩んでいる中で学校に行っていたことをねぎらってあげることで、子供にとっては安心する要因になるでしょう。
この時、事情の把握だけではなく子供が何を思っていたのかを聞いておくと、根本的な原因の解決にもつながります。もう人と接したくないのか、人とは接したいけど同じ学校に通うことが嫌なのかによって今後の対応も変わってきます。
とりあえず学校を休めばいい、では問題の解決にならないので注意しましょう。
学校の先生に様子を聞く
子供から事情を聞けた聞けなかったにかかわらず、担任の先生に学校での様子を聞いておきましょう。
小学生の子供の説明はどうしても主観的なものになってしまうことが多いです。
自分の子供の友人関係や成績、休み時間の過ごし方などを第三者の先生に尋ねておけば、原因の解決につながります。
小学校の先生は、学校を休みそうな子供には目をつけている可能性が高いので、きちんと状況を説明してくれるでしょう。
回復して来たら保健室登校を進める
子供が不登校になって心が回復してきたと感じたら、保健室登校を提案してみましょう。
長期間学校を休んでから再び学校に通い始めるのは非常に困難です。
しかし、学習意欲がある場合は保健室登校をすればテストも受けれますので、学力的に遅れることはありません。そのうえ、学校に行こうという意思の発露にもつながります。
しかし、これを提案するときは学校の先生に相談して、きちんと精神状態が回復しているかを確認しましょう。まだ回復してないときに言ってしまうと、実はお母さんも学校に行けと思ってたんだと考えるかもしれません。
大切なのは根本的な原因を解決すること
不登校になった子供に対して最も大切なのは、学校に行かなくなった理由を把握して原因を解決することです。
学校に行かないことを怒ったり、「なんで行かないの?」といった言葉を投げたりすることは、子供のことを考えていない親の勝手です。不登校になると勉強が遅れてしまうと考えているということかもしれませんが、言ってしまえば勉強は家でもできます。
他の家庭の人から奇異の視線を見られることを恥ずかしいと思っているか、自分の子供が学校に行かなくなったことを子育てが失敗したと思っているのでしょう。
別に不登校になるのは親の責任ではありませんし、親がしなければならないのは子供の味方になって、その後の対応です。
そのために前述した親の対応を実践して、子供が何に悩んでいるのか確認してみましょう。
学校と家庭以外の環境を取り入れてみる
親が直接子供に対してできる対応はこれまでに説明した通りです。
しかし親が他にできることは、「サードプレイス」を準備することが挙げられます。
サードプレイスとは、学校・家とは別の空間のことです。例えば習い事やフリースクールといった、不登校の子供が他人との交流を図るための場所のことをサードプレイスと言います。
習い事全般とフリースクールに分けて、なぜ通うことがいいのか以下に解説します。
習い事全般
サッカーや野球、水泳といった運動系の習い事もあれば、塾のような勉強を進めるところもありますが、どちらも学校外の同年代の人と交流することになります。
学校では馬が合わない人がいたという人も、ストレス発散や新しい友人関係を結ぶことができます。また、勉強ができなくて塾に通うにしても、基本的に塾もクラス分けがされています。同じくらいの学力の生徒と勉強を進めることになりますので、学業不振が原因でも自信を持って楽しく勉強できるでしょう。
とにもかくにも、学校に行かなくなった場合は交流するのが親しかいない環境になってしまいます。同年代の人と交流できるのは英気を養うこともできるので、精神的に安定しているならば外に出してあげるとよいでしょう。
フリースクール
フリースクールとは、不登校の子供に向けた民間の教育施設です。
学校のように授業を進めるスクールがあれば、他人との交流を深めることを重視したスクールもあります。習い事と異なるのは、交流する年代の相手が異なるという点です。
小学生から高校生までの生徒を集めている上、一つのスクールに通っている人数は10人程度です。小さいところでは、同世代の人がいる方が珍しいということもあります。
ですが、カウンセラーもついていますし、勉強も個人ごとに合わせた学習を行ってもらえます。学校に通うのはきついけど、学校生活のように過ごしたいという子供に対しては非常におすすめです。
正しい母親の対応は子供との対話!
小学生の子供が不登校になってしまうケースには様々なものがあります。
しかし母親の対応で大切なことは、子供にどうしてほしいのかきちんと対話することです。そのうえで、子供が何に悩んでいるかをくみ取って、根本的な問題の解決にあたりましょう。
また、不登校から回復してくればサードプレイスの活用もおすすめです。
親の気持ちを子供にぶつけるのではなく、子供が不登校になったことを受け入れて、その後の手厚い対応をすることを心がけましょう。