不登校の子に対して、無理をさせたいわけじゃないけど将来的なことを考えると勉強はしてもらいたい。しかし、いったいどのように勉強させればいいのか悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では子どもが前向きに勉強に取り組むために必要なサポートとはどのようなものか、そして親が心がけるべきポイントなどを紹介しています。
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不登校のまま勉強をしないとどうなるのか
不登校になると、学校を思い出させるものにストレスを感じてしまったり、勉強にも身が入らなくなります。
学校に通わなくても自宅で勉強ができれば…と思ってもなかなか難しい。
もし全く勉強をしなくなったらどうなってしまうのだろうと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
まずは、勉強をしない状態が続くとどんなことが起こりえるかを見ていきましょう。
復学したあとの勉強についていけない
勉強していない期間が長いと、学校に戻った後の授業についていくのが難しくなります。
子どもが不登校の間も授業を受けていたクラスメイトとの、学習の差を埋めるのが大変になってしまうのですね。
再度不登校になる可能性が高くなってしまう
クラスメイトとの学習の進み具合の違いを感じたり、授業についていけないと感じてしまうことで、せっかく学校に戻っても再度不登校になってしまう可能性が高くなってしまします。
進学が難しくなる
受験が間近になった段階で勉強を再開しても、勉強をしていなかった期間が長いほどまずは学力の遅れを取り戻すことに時間をかけなくてはいけません。
急いで受験に備えようとしても間に合わず、希望の学校に合格することができなかったり、子どものモチベーションが維持されず進学自体をあきらめてしまうことにつながってしまいます。
心と体の健康が勉強の意欲につながる
もし子どもがずっと勉強をしなかったらと考えると、心配になる気持ちもあるでしょう。
ただ、それを気にするあまり無理に勉強させようとしては逆効果になることもあります。
子どもが心に不安や心配を抱えたまま勉強に取り組んでも、身が入らず長続きしにくいからです。
心のケアより優先して勉強をさせてしまうことで、結果的に再度の不登校になってしまうリスクが上がってしまうことも考えられます。
心の健康をサポートするために
初めはあえて勉強をさせない
子どもが不登校になった時は、せめて家でだけでも勉強を…と思ってしまうかもしれませんが、あえて家では勉強をしてはいけないというルールを作ってしまうのも、子どもの心を軽くするための一つの方法です。
不登校になっている子の多くは勉強しない、学校に行かない自分はダメな人間だ…というように考えてしまいます。
そういう風に考えてしまうことは子どもにとっても非常につらいこと。
あえて勉強してはいけないというルールを作ることで、自分がしたくないからしないのではなくで、そういうルールだからしないのだと考えられるようになります。
子どもは言われたことを守っているだけなので、勉強ができない自分を責めなくてよくなるということですね。
あえて勉強を遠ざけることで、子どもの気持ちを楽にしてあげることにつながることがあるのです。
勉強は子どもの心が落ち着いてきたころから少しずつ
子どもの様子を見ていて、心が落ち着いて安定しているように見える、表情が明るくなった、そんな風に感じるようになったら、子どもが「やってみてもいいかな…」と思える範囲で勉強を始めてみる提案をしてみましょう。
例えば、子どもの一番好きな教科を週1回だけ、のように、「それくらいならいいかな…」と思える程度にするのがポイントです。
もちろん、まだ勉強する気分にはなれないといわれることもあるでしょう。
あまり言いすぎると子どもは急かされているようなプレッシャーを感じてしましますから、焦らず見守ることが大切です。
勉強を始めるタイミングを見極めるポイント
とはいえ、子どもに勉強の再開を提案してみるタイミングは具体的にどう見極めればいいのか難しいところ。
子どもによってどのようなサインを出してくるかはそれぞれですから、いくつか目安となるようなポイントを紹介します。
自分から行動を始めたとき
子どもが自分から何かを手に取ったり、作業をし始めたとき。
それは心が前向きになり始め、物事に取り組む意欲が回復してきていることの現れです。
最初は勉強でなくても、子どもの好きなこと、得意なことでいいので、心の向くまま行動をさせてあげるのもいいでしょう。
長い間集中力が続いているとき
勉強を始めるためにも、その後学校や塾などでまた授業を受けるためにも、長く集中力を保っていられるかはとても重要です。
集中していられる時間が短ければ、勉強を始めても継続していくことが難しいからですね。
大体1時間ほど集中力が続けば、学校や塾などの授業の間も安定して勉強に取り組めるかと思います。
子どもが何か作業をしている時などに、どのくらいの時間集中して続けているかを見ておくようにしましょう。
勉強の話をしても嫌がらないとき
子どもに勉強の話をすると、学校でのよくない思い出が連想されて嫌がられることもあります。
ただ、もし勉強の話をしても嫌がるような祖刷りを感じられないときは、勉強の再開を提案してみてもいいタイミングかもしれません。
先にお伝えしていたように、これならやってみてもいいかも、と思えるくらいの量をすすめてみるようにしましょう。
不登校中の勉強方法
不登校中の勉強方法というと、学校に行かない以上自宅で自主学習するしかないのではと思ってしまいがちですが、実はそれ以外にも様々な勉強方法があります。
家庭教師
子どもは家から出ずに、講師が訪ねてきてくれるのが家庭教師のメリットです。
講師と1対1の授業なので、集団授業のような圧迫感はない一方、対人のコミュニケーションはとりながら学習を進めることができます。
オンライン家庭教師
もし直接人に会いたくないという場合にはオンライン家庭教師というものもあります。
子どもに負担の少ない勉強方法としておすすめです。
塾
ただ一言に塾と言っても、学校の授業のような集団授業をする塾もあれば、1対1、もしくは講師1人に対して生徒2人のような形の個別指導を行う塾もあります。
もし外出が可能なのであれば、子どもの希望を聞きながら授業形態を選んで塾を使うこともおすすめです。
適応指導教室
適応指導教室というのは不登校になった子どもたちが圧なって勉強できるようになっている場所で、ほとんど費用は掛からず、元教師や臨床心理士が学習のサポートをしてくれます。
格好や塾のようなレベル指導はされませんが、不登校の子どもに対する支援には長けているといえます。
通信教育
まだ長時間集中力が続かない、自分のペースで少しずつ勉強をしたいというときには通信教育がおすすめです。
人と会うこともなく通学の必要もないので、子どもにとっては負担はかなり少ないといえるでしょう。
ただ、人の目がない環境で自発的に勉強を進めていくのは子どもには難しいこともあります。
その場合は毎回ではなくても、親御さんのサポートが必要になることがあります。
通信制学校
自宅で勉強をしながら、高校生であれば単位の修得もできます。
通学も何度かは必要になりますが、全日制よりははるかに少ないので、自分のペースで勉強をしたいが卒業単位も取りたいというときにおすすめです。
フリースクール
フリースクールとは何らかの事情により学校に行くことが難しい子どもが、学校の代わりに過ごすことができる民間の教育機関です。
勉強だけでなく同年代の子どもたちとの交流の機会がある点が塾とは違う点ですね。
自宅以外でコミュニケーションの場が足りていないと思うときには選択肢の一つに入れていただきたいと思います。
不登校でも勉強を続けていくポイント
自習だけでは挫折する可能性が高い
子どもが自分だけで勉強を進めようとしてもどうしても挫折してしまうことが多くなります。初めは人に会わない自宅学習や通信教育から初めるのもいいですが、リハビリの意味も込めて少しずつ人の目がある環境での勉強に移行していくことが望ましいかと思います。
子どもの状況にあった環境はどれか考える
集団生活に不安を感じているのか、特定の得意でないクラスメイトがいるのか、学習面に不安があるのかなど、子どもの抱えている悩みによって提案する勉強方法も変わってくるでしょう。
不登校になる理由は様々ですから、まずは子どもが何に不安を感じているのかを理解してあげるようにしましょう。
まとめ
不登校の子どもに対して親はどんなサポートができるのか、そのポイントについて解説しました。
子どもが不安を乗り越えるためには、親のサポートが必要不可欠。
まずは子どもの心を楽にしてあげることが、結果的にその後の勉強への意欲を高めることにつながっていくということを、覚えておいてくださいね。