不登校でも高校は通える?中学生の気になる進路事情を紹介します!

子供が中学校で不登校になった場合、この先の進路はどうなるのか不安に思っている保護者の人は多いでしょう。
学校にも行ってないから高校受験もできないから就職するしかないのではと考えている人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
高校進学率は98.2%と高く、当然この中には中学校で不登校だった人も含まれます。
つまり、たとえ不登校でも高校に通うことはできるのです。
この記事では不登校の人がどのような学校を選んでいるのか、高校選びの時に子供をどのようにサポートするかを解説しています。
ぜひ参考にして、高校進学の選択肢を広げてくれたらと思います。

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不登校になるのは中学校が一番多い

子供が不登校になって心配……という人も多いと思いますが、そもそも中学校は不登校の生徒の数が激増する時期です。
文部科学省の調査によると、小学六年生から中学二年生の間にかけて、以下のような人数の増加があります。

小学六年生 14,061人
中学一年生 31,046人
中学二年生 43,428人

表を見ると、実に中学一年生の時点で小学六年生の時の二倍、中学二年生の時点で小学六年生の時の三倍近い数が不登校になっていることが分かります。
当然ですが中学校までは義務教育なので、小学校と中学校間の母数はほぼ変わりません。
思春期真っ只中の中学生活は、どうしてもいろんなものに影響を受けてしまいます。
不登校になってもおかしいことではないと割り切って捉えましょう。

中学生の一般的な進路は高校進学。不登校も例外ではない

中学校では不登校の人数が激増するとは説明しましたが、それでも高校進学率は98.2%と非常に高い数値を出しています。
そのほかの1.8%の人もほとんどが就職という選択肢を取っており、中学校で不登校だからと言ってそのまま引きこもってしまうことはほぼありません。
中学で不登校だった人が再び高校に通う理由はいろいろありますが、最も大きな理由は高校進学というのが大きな転機だということでしょう。
中学校で不登校になった人も、高校進学して環境が変わればまた学校に通えるかもしれないと考えていますし、このまま不登校のままではまずいと考えている人もいます。
そのため、転機ともとれる高校では、進学率が非常に高く不登校の人の割合も低くなっているのです。

不登校で受験に影響は出るの?

不登校でも高校に進学する人がほとんどということを聞いて、安心した人もいるかもしれません。
しかし、中学校の間不登校であれば受験できない高校もある、ということは理解しておきましょう。公立高校の多くは受験要綱を定めているので、たとえ自学自習で学力的に問題がなくても受験ができません。
その公立高校の受験で重視されるのが、「出席日数」と「内申点」です。
以下でそれぞれを具体的に説明します。

出席日数は年間30日未満が条件

一般的な公立高校の受験では、年間30日以上の欠席をしている場合は受験できないか、あるいは受験できたとしても合格のハードルが上がります。
この「年間30日」という基準には二種類あります。

  • 中学校三年間すべての学年で欠席日数がそれぞれ30日未満
  • 中学校三年生時の欠席日数が30日未満

中学校三年生のときしか見ない場合は、中学校一年生の時に不登校でも問題はありません。この基準は学校ごとに決められているものなので、進学したい学校があれば調べておくことをおすすめします。
また、この年間30日未満の欠席日数を求めるのは公立高校だけで、私立高校で求められることはほとんどありません。
そのため中学三年生時に不登校だった場合、私立高校に進学する人がほとんどでしょう。

内申点も関係する

一般的な公立高校の受験では、内申点も大きな要素です。
内申点というのは通知表に記されている五段階評価のことで、基本的に受験時の点数と内申点を7:3~6:4くらいの割合で評価します。
中学で不登校になった人は内申点を測る定期テストを受けていないことが多いので、内申点が低い可能性が高いです。
当日のテストで高得点を取ればいいという問題ではないので、不登校の人は内申点を気にしない私立高校の受験の方が無難でしょう。

不登校だった人が選ぶ高校

出席日数と内申点の関係で私立高校に進学する人は多いです。
しかし、今イメージしている学校像はどのような学校でしょうか?
……ほとんどの人が、中学校までのような全日制の高校をイメージしていると思います。
しかし、高校は全日制高校のほかに通信制高校・定時制高校があります。
必ずしも全日制の高校で毎日7時間くらいの授業を他の生徒と一緒に受ける必要はありません。
中学校で不登校になっている生徒におすすめする順番は、以下の通りです。

  1.  通信制高校
  2.  定時制高校
  3.  全日制高校

以上のような順におすすめしたい理由を解説します。

①通信制高校

通信制高校はそれまで不登校だった人に最もおすすめしたい高校です。
その理由は三点あります。

  • 学校に通う頻度が少ない
  • 受験要綱が甘い
  • 周りに元不登校の生徒が多い

また通信制高校でも、全日制の高校と同じように三年間通えば高卒資格は得られることもポイントです。高校卒業後に就職する際も、履歴書に通信制高校と記すことはないので、就職で不利になるようなこともありません

学校に通う頻度が少ない

不登校の人に最も安心される理由が「学校に通う頻度が少ない」という点です。
中学校で不登校になる理由は様々ですが、他人との交流が原因で不登校になるケースが最も多いです。それを気にしている生徒からすれば、他人と交流する頻度が少ない通信制高校はおすすめです。
また、たとえ不登校の理由が別にあった人にとっても、不登校から突然毎日学校に通うことは難しいです。
通信制高校では週三回~月一回くらいの範囲で通えばいいので、精神的な負担も少ないでしょう。

受験要綱が甘い

次に通信制高校をおすすめする理由が「受験要綱が甘い」からです。
そもそも私立高校では全日制の学校であっても、それまでの出席日数を気にしている学校は少ないです。しかし私立の通信制高校ではそれがより顕著になります。
通信制高校は単位制で、基本的に自分のペースで学習を進めます。
そのため決まられた時間に出席して授業を受ける必要があるのは通学するとき(スクーリング)だけであり、それ以外は出席を求めていません。
なので、出席日数を気にしている学校が少ないのです。

周りに元不登校が多い

二つ目の受験要綱の甘さにもつながっていますが、「周りに元不登校が多い」ことも現在不登校の人におすすめする理由です。
通信制高校には不登校だった人が多く通っています。割合で言えば、中学で不登校だった人の半分は通信制高校に通っています。そのため、学校としても不登校児の受け入れ態勢を整えている学校が多く、受験要綱が甘くなるという事情もあります。
学校に入りやすいというだけではなく、周りに同じ経験をしていた人が多いということは学校に通う際の励みになります。
新たな友達を作るきっかけになりますので、通信制高校でリスタートすることを一番おすすめしたいです。

②定時制高校

通信制高校の次におすすめしたいのが定時制高校です。
定時制高校は基本的に夜間に行われていて、一日四時間ほどで通えます。
全日制の高校に比べて中学で不登校だった人も多く通っています。
定時制高校の魅力は、何と言っても拘束時間が短いことです。
中学で不登校だった人も短い時間なら通えるという人は多いでしょう。
また日中に時間を取られることがないので、自分でアルバイトをすることもできますし、別の勉強に取り組むことができるというメリットもあります。
ただし、デメリットとしては基本的に在籍期間が四年間と一年間長く、授業内容も高校を卒業するためのものなので大学進学には不利です。
大学進学を考えるのであれば別で塾に通うなどの工夫が必要になるでしょう。

③全日制高校

中学まで不登校だった人でも、全日制高校に通っている人はいます。
同じ中学の人がいると通いづらいでしょうが、完全に知らない人に囲まれてしまえば言わない限り不登校だったことはバレません。
高校からは心機一転、部活で汗を流して好きなこと付き合って……というような理想的な青春を送りたいという人は、全日制高校に通うことをおすすめします。
通信制高校も定時制高校も、他人との交流は少ない高校です。やっぱり他人とどんどん交流したいという人には向いていません。
しかし、全日制の高校で頑張ろうと思っても、何かの拍子に不登校が再発してしまう可能性もあります。
そうなったときのダメージがかなり大きいので、無理をして全日制高校に通う必要はないでしょう。

高校に行かないのはあり?

中学校で不登校だった場合、高校に進学したくないという子供もいると思います。
そのような子は、高校に通わないという選択肢はあると思います。たとえ98.2%が高校進学していようと、1.8%は進学していないのですから悪いことではありません。
高卒認定試験を受ければ大学受験をすることも可能ですし、将来のことを見据えているのであれば高校に通わないというのもありだと思います。
しかし、現実逃避をするために高校に通わないというのは間違えています。
理由もなく高校に通わないのであれば、保護者がきちんと引き留める責任があります。

ただし、高校受験直前に不登校になった人や、心に深い傷を負っている場合は親が説得しても聞いてもらえない場合もあります。そのようなケースは時間を置くことで心も回復してきますので、半年や一年遅れでも通信制高校や定時制高校に入学することを進めるとよいでしょう。

親が不登校の子供にできること三つ

不登校の子供は高校から先の進路をどうするか、自分で考えることが重要になります。
親や第三者に無理やりすすめられたからといって、何も考えなしに入学するとまた不登校になってしまうでしょう。そうならないためにも、自分で将来どうしたいかを考えさせる事が重要です。
だからと言って、不登校の子供の進路の件で親がサポートできることはあります。
それは、以下の三つです。

  • 子供の進路相談に乗る
  • 高校選びをしっかりする
  • 学校の先生に相談する

ある程度子供が自分から進路について考え出していることが前提となっていますので、もし何も考えていない態度であれば高校進学について考えさせることが必要です。
無理に高校に行けと言ってしまうと逆効果になってしまうので、まずはやんわりと高校について話を切り出してみましょう

子供の進路相談に乗る

高校の進路について考え出している不登校の子供に対しては、しっかりと進路相談に乗ってあげましょう。
不登校で学校に行ってない生徒は、相談相手が親しかいないことがほとんどです。
唯一の相談相手なので、しっかりと協力する姿勢を見せましょう。
高校について考えている子供の思考としては、「このままじゃいけない」と考えていることがほとんどです。そのような場合、焦って普通の学校生活に戻らなければという思考になってしまい、全日制高校に無理をして通うと言い出すケースもあります。
もちろん全日制高校に元気に通ってくれれば問題はありませんが、どうしてその学校に通いたいのかを聞いてあげましょう。
無理をしていることが分かれば、通信制高校に通うという選択肢を提示してあげることも親としての務めです。

高校選びをしっかりする

先ほどの進路相談と被ることではありますが、子供と一緒に高校選びをしましょう。
高校に入る目的をはっきりさせて、それにあった高校選びをする必要があります。
全日制か通信制かという話だけではなく、通信制高校の中だと最も通いやすい高校はどこか、というところまで支えてあげましょう。
特に通信制高校は不登校だった人に手厚い学校とそうでない学校、大学受験に強い学校から通学頻度が少なくて通いやすい学校など様々です。
子供が通う目的に合わせて学校選びを手伝ってあげましょう。
この際に気を付けなければならないのは、親は選択肢を提示するだけだということです。
「ここがいいんじゃない?」という親の発言は、自分は一つの可能性を提示しただけでも子供にとってはそれがいいんだと思ってしまうものです。
最終的な結論は自分で出させるようにサポートすることが大事です。

学校の先生に相談する

子供が進路に悩み始めたら、学校の先生に相談するとよいでしょう。
中学校教諭は高校に進学させることに関してプロです。いろんな進路を選んだ生徒を見てきているはずなので、相談すると思いもよらない選択肢を提示してくれる可能性があります。
また、先生に相談することで子供の出席日数や成績に関しても把握できます。
受験して合格できるのかということも大きな問題なので、受験までの勉強の仕方を聞くこともできます。
不登校だった子供にとって、学校に通わすに先生に受験の相談をするというのはハードルが高いです。不登校の子供を持つ親ができる仕事の一つなので、積極的にサポートしましょう。

途中で学校を変えることも可能

もちろん学校選びをしっかりすることは大切ですが、それでも100%不登校から脱却できるというわけではありません。
不登校から立ち直って新しい高校では頑張るぞ!とどれだけ意気込んでも、不登校になってしまう原因はいろいろです。中学校で不登校にならなかった人も高校の授業に浮いていけず不登校になってしまうことだってあります。
なので、新しく学校医通って次こそは全部通い続けることを目標にするのではなく、無理だったとしても次があるというくらいの気持ちで高校に進むことが大切です。
そもそも不登校だった人が普通に学校に通えるようになっていること自体がすごい努力です。その努力を認めてあげることが、親の務めでしょう。
たとえ不登校になったとしても、広い心で見守ってあげましょう。

不登校でも高校に進学することはできる!親は子供のサポートを!

中学生で不登校の人は全国的に見てもかなりの数ですし、同じように悩んでいる保護者の人も数多くいます。
不登校だからと言って高校に進学できないわけではありませんし、高校を機に学校生活をリスタートしようとしている子供も多いです。
なので、子供が高校生活を笑って過ごせるように全力でサポートをしていきましょう。
子供の進路相談に乗るだけでも支えになりますよ!